--- Crate Engine Project 5 ---
2004.11.20 WEST訪問
進捗状況の確認の為、WESTを訪問した。
エンジンルームのパイピングは、機能的で美しい仕上がりだった。
このあたりの仕事ぶりは、コルベットのスペシャリストの技が浮かび上がる。
一つ一つの仕事が、論理的経験的な裏づけがある。
進化したキャブレター。「スピード・デーモン」
なかなかの面構えだ。
オイルフィルター勢揃い。
純正のACデルコ(青)と比較すると、HP6の大きさが分かる。
2004.11.21 配管完了
WEST金沢代表より、メッセージを頂いた。
「本日燃料配管と冷却水配管をほぼ完了いたしました。
画像をお送りしますのでご確認ください。
リアフェンダー内とエンジンルームの燃料ライン(Ears#8)が黒く写っていますが、
これはステンメッシュの周りに保護カバーを取り付けているからです。(ゴムホースではありません。)
いよいよエキゾーストを取り付ければエンジンスタートとなる予定です。」
ホースの装着1つでも、考慮すべき事が多い。
取り付けられる角度や、長さ、取り回しなどは、過去のノウハウの結集なのだ。
2004.11.27 油圧
エンジン始動を見届ける為にWESTを訪問。
昨日、エンジン始動前の確認作業中に、油圧が上がらないとの連絡を頂いていた。
セルを回すとデスビは回るが油圧が来ない。
オイルポンプをチェックすると、オイルポンプ自体は正常に機能している。
では、原因は何???
動作確認したディストリビュータとオイルポンプ。
確認後はラップして保管されていた。
初公開!
ZZ572のコンロッドとクランクシャフト。
コンロッドは、きっちりとH断面構造になっている。
クランクシャフトはステルスというタイプ。
見えないところもきっちりと作られている。
すばらしい。
今回、エンジンを始動する前に行うべき全てのチェックを実施していたので、大事にはならなかった。
GM純正エンジンという安心感もあるので、一般のショップならば、とっくにエンジンを回してしまっているに違いない。
油圧のない状態でエンジンが始動してしまったら・・・^^!
おおよその原因は把握したが、慎重を期す為にアメリカに確認する事にした。
このあたりの手順を踏むのが、経験豊富なWESTの凄さだ。
WESTを見学すれば分かるが、広くそして整った工場には何台ものリフトがあり、コルベットと向き合う姿勢が覗える。
写真は最近オーダーを受けて作成中の、C3コブラ。
C3のデザインをよりグラマラスに発展させたものだ。
もちろん、WESTのオリジナル。
こちらは、C4レース・カーのスペアマシン。
フロント部分のフレーム補強には、直線的なパイプが用いられる。
こちらは、ストリート用のZR-1。
フレーム補強は、フェンダー内部の形状に合わせて加工されたパイプを使用する。
これだと、インナーフェンダーもそのまま使用できる。こちらも、WESTで開発されたものだ。
オーナーの要望によりマニホールドやヘッドも塗装され、「見せる事」も忘れていない。
さて、いずれにしてもZZ572に装着されたこのフロント・パイプから爆音が轟くのは、秒読み段階に突入した。
既にTEST走行に向けての準備も進んでいる。
来週はブレーキの6インチ径マスターバッグが到着する。
オイルパンは427に装着されていたMilodonと、ZZ572の純正品を合体させてワンオフする予定だ。
ここに来て、エンジンフードが閉まるかどうかが微妙になってきた。
問題があれば、その時点で必ず対応する。
もう、後ろには道はない。
2004.12.05 オイルポンプ
念のため、オイルポンプを分解してみた。
問題なし。
どうやら、オイルの通路に空気が入り込み、セルでは押し切れなかったのが原因らしい。
通常はこのような事は発生しない。ZZ572の気密性が良いのが起因しているのだろう。
気密性が良いことは、喜ぶべきことだ。
しかし、人生には小さな誤解から、つまずいてしまう事がある。
そんな時は、うわべで判断しないで、よく調べて確かめることだ。
ZZ572の素性が見えてくれば理解できる。
「今、相手にしているZZ572は、只者じゃない。」
それが、理解できただけでも、私たちの作業は無駄では無かったのだ。
このプロジェクトは、人生の縮図。
落ち込んでいる暇は無い。
そう、作業続行だ!
2004.12.08 エンジン始動
電話口のWEST金沢代表の声が高揚していた。
「掛かりましたよ!なんというか、ものすごい太い音です。」
周囲の爆音が受話器からも伝わってくる。
報われない努力は無い。
止まない雨は無い。
大きな前進の日。
2004.12.10 燃圧計
「何は無くとも燃圧計」と、言うわけで機械式の燃圧計を装着しました。
燃料ラインを室内に引く訳です。
配管は材質も熟慮して慎重に。
そして、美しくなくてはいけないのです。