---  Crate Engine Project 7  ---

 2005.03.02 WEST訪問

ステアリング・ギアボックスを削り、ヘッダーズをたたいてクリアランスをかせいだ。
エンジンの振れがどの程度かによっては、さらに改良が必要かもしれない。


こちらは、オイルパンとパワステシリンダーの干渉を防ぐために、仮作成したスペーサー。
この部分の厚さも、今後のオイルパンの作業の結果で適正値を導き出す。
このデータは、まだ世界に存在しない。


これらの大きな問題が解決すれば、残る大きなテーマはマフラーの作成のみだ。
一方、冷却水やオイルなどの配管や、Try & Errorによる小修正はこれからもたくさんあるだろう。
例えば冷却水関係では、リザーブ・タンクを設置したため、
それよりも若干低い位置にあるラジエターキャップは、塞いだ方が無難だ。
この部分は、新たにパーツを作成して溶接することにした。


クラッチを踏んでみる。
決して軽くはないが、許容範囲だ。
ただし、スポーツカーを知らない「素人にはお奨め出来ない」。
 


2005.03.11 電話打ち合わせ

金沢代表との電話打ち合わせを行った。
まだ、写真は到着していないが、オイルパンの加工が始まっている。
まず、純正品のオイルパンを外し、下半分をカットする。
そこにMOROSOのパーツを溶接して、オイル容量を増大させると共に、最低地上高を確保するのだ。
具体的には、純正で9.5インチあるオイルパンの厚みを、8インチにまで縮小させる。
同時に前方及び左右方向へは大幅に拡大させて、容量をかせぐのだ。
これらの溶接作業は、オイルパンの変形を防ぐために、ダミーのエンジンブロックに固定して行われる。

コーナリング時などのGによるオイルの偏りを防ぐ為のオイルパン内部のバッフルプレート類は、
MarkYになった現在のエンジンでも、MarkWの時代から変化が無いようだ。
逆に言うと、それらに関しては試行錯誤が完了している部分と推測できるので、
改造はしないほうが無難だ。

また、オイルポンプはピックアップの長さを含めて改造したくない。
そこで、ピックアップ部分が延びていないレーシング・タイプのオイルポンプの使用を考えている。


ストリート用のパーツが世界に無い以上、唯一の解決策は開発すること。
しかし、カスタマイズすべき部分と現状を維持すべき部分の見極めは重要だ。
多くのデータと物量を持つMOROSOの572Vette-Projectが早期に完成できないのも、同様の理由だと推測できる。

さて、ここまで作業が進むと、マシンが意思を持ち始めた事を感じるようになってきた。
1969年生まれの彼女が、完成された自分の姿を意識できるようになってきたのだ。
自分から変化し、完成しようという強い意思を持ち始めたように感じる。
間もなく、2回目の爆音が轟く。


2005.03.13 オイルパン&フロントパイプの集合部分

WESTから写真が送られてきた。
左が切り落とされた純正オイルパンの下半分。
右がその部分に取り付けられる、作成中のオイルパンの下半分だ。
この加工によって、オイル容量が大幅に増加する事は、誰が見ても明らかだ。


写真の左側のトラップドアの手前に、オイルポンプが入る予定だ。


HOOKERのIMSA用のヘッダーズは優秀なパーツだが、細部の品質はWESTオリジナルが勝る。
集合部分までの長さを若干延長し、さらに効率を上げる為に加工する事にした。
既に記述しているが、Hi-Performance Big-Block Engine のフロントパイプが2-1/8インチの場合、
集合までの長さは、30〜32インチでなくてはならない。
しかし、これはどうやら排気量572cu in.では当てはまらないらしい。
最近の調査で判明したことだが、ZZ572での最適な集合までの長さは36インチになる。
このあたりの寸法は、論理的に証明できる数値を採用する事にした。
 


2005.03.23 オイルポンプ

WESTから写真が送られてきた。
まず、パイピングの小修正がある。
ジョイント部分の径の変更など、より適正な部品に替えられている。


こちらは、使用する予定のクーリング・ファン。
Super cool!


ピックアップ部分が延びていないオイルポンプ。
どうよ!コノかっこよさ!
組みあがってしまえば、見える部品では無いのが残念。
合言葉は、「何も妥協しない。何も諦めない。」




2005.03.25 オイルパン完成

大きな困難を乗り越えた。
オイルパンが完成したのだ。

厳しい要件を満たして、この形となった。
ZZ572装着のC3 Vetteでは、このソリューションがデファクト・スタンダードになると予言する。
MOROSOに売りつけようか?





残る作業は、エグゾーストだ。



直線上に配置