---  Crate Engine Project 8  ---

 2005.03.26 目覚める

オイルパンが塗装され、エンジンに装着された。
写真を見ての通り、左右方向だけでなく前方向にも拡大し、かなりの大容量化が図れた。

そして、入念なチェックの後、1969年生まれの彼女は再び目覚めた。
5時間に及ぶ初期慣らしでの水温は73℃。
オイルクーラーの配管をしていない状態で、この冷却能力がある。
まさに計算通りの結果がもたらされたわけだ。
オイルクーラーの接続は、慣らしが完了してから行う。
オイルクーラー内部にスラッジが入り込むのを防ぐ為である。
ラジエター・キャップ部分に、ワンオフのパーツが溶接され塞がれた。
久々にスピード・デーモンが吸気音を奏でる。


2005.03.27 WEST訪問

WESTを訪問し、詳細の状況を確認した。
ラジエター・キャップ部分は綺麗に塞がれていた。もちろん、強度も充分のようだ。
ファンのブレードは大径で、ボンネットとの隙間はギリギリのようだ。
カミソリの刃のようにシャープであぶない雰囲気が漂う。


こちらは、切断された純正オイルパン。
カットは2回行われている。
下30mmが最低地上高を稼ぐ為に短くした部分。
上が今回交換した部分にあたる。


工場内では、エグゾーストの作業準備が進められていた。
ヘッダーズはフロントパイプを15cmほど延長し、同時に45度後方へ曲げることにした。
そこから、WEST製のパーツで集合させる。
集合後はさらに45度曲げ、ドアの下を並行に通す事を考えている。


こちらは、オイル・フィルターをリロケートするためのパーツ。
こちらも、作成行程が多そうなパーツだ。

オイル・フィルターはスペースの都合上、HP4になる事が濃厚だ。

さて、配管が終わったエンジン・ルームを眺めてみると、正面から向かって左側(助手席側)に
燃料ライン、ウォーターライン、さらにはオイルクーラーまでが配置されているのが分かる。
これは、仮に火災が発生した場合でもドライバーが安全に避難できるように考慮したものだ。

9.4リッターエンジンの振れは、予想以上に大きい。(当然ではありますが・・・)
対策として、エンジンをスタビライザーのような物で、ある程度固定する事を考えている。
ほとんどの問題は、やってみて初めて問題の存在に気づく。
そして、発生した問題には解決策が必ずある。
しかも、予想以上に良い結果をもたらす事例もかなりの確率で存在する。
とにかくやってみる事。
それが、前に進む方法だ。
後悔する事を恐れていては、こんな大きなオペはできない。
プラス思考の波に乗ってきた。

リフトの上には極上のC3が載っていた。
600万円以内で手に入るならば、買いだろう。
そのほうがあとあと得をする。



2005.04.07 ヘッダーズ完成

ヘッダーズが完成した。
予定通り、集合部分は45度後方に向けられた。
集合までの長さも、9.4リッターの排気量に論理的に合致させる事ができた。
ほぼ、完璧なソリューションではないだろうか。

これから、サイド・パイプ、テール・パイプの作業に入る。
54mmパイプの美しい集合部分。
ここから先も楽な道のりではない。

ここから後ろは、89mmパイプでステップモール横を通し、
その後楕円パイプに加工してデフの下からマフラーに至る予定
ではあるが、その方法についてはいまだに議論が尽きない。
フレーム構造の変更も検討案に入っている状況だ。



2005.04.09 ヘッダーズ仕上げ

集合部分の接続部分を仕上げた。
このあたりの細かい仕上がりは、WESTならではのものだ。
集合部分から先はさらに45度後方に向けられ、ステップモールと平行になった。
最終的な装着に向けて、耐熱布も巻かれる。

耐熱布を巻く作業。
エンジンルーム内の温度を下げるためには、
欠かせない作業だ。
こうして完成したヘッダーズは、エンジンルーム内の
補器類を外した上で装着される。
不用意に耐熱布に傷を付けない為の配慮なのだ。


2005.04.10 ヘッダーズ装着完了

ヘッダーズが装着され、ストーリーが収束に向かい始めた。


2005.04.12 電話連絡

WEST金沢代表から、マフラー作成の方向性に関して、連絡があった。

『さてコルベットの件ですが、サイドからデフの下方向へはやはり
H=65mm楕円パイプを使用するのが良いと思います。
フレームの一部カットも検討しましたが、やはり強度、加工性等で不採用としました。
サイドパイプから曲げパイプを接続しながら、徐々に楕円に加工しようと考えています。
正確に申上げますと、まずサイドパイプがサイドパネルの下ではなく、
約半分横に重なっていますので最初の曲げパイプで下に曲げ、
2番目の曲げパイプでデフ方向へ向きを変える事になります。
それぞれ45度曲げ〜60度曲げを使用予定ですが、現物合わせのかなり大変な
作業になりそううです。
またデフの後にマフラータイコ本体(以下マフラーと呼びます。)を装着予定ですが、
前後スペースがかなりきつくなりますので、マフラーの入り口は楕円2個所とし、
マフラーの中でパンチングをY字に分けて、出口は2本づつ出そうと考えています。
ですからマフラー内部はパンチングが4本になる訳です。
(89mmパイプで前後長が短いマフラーでは消音効果が期待できないと思いますので、
小径65mm位を4本にする訳です)』

・・・かなり、大きな問題である。
オーバル・パイプの断面積計算、オーバル・パイプの曲げ加工など、技術的には大変だ。
また、 構造上テールパイプは4本にならざるを得ない。

しかし、これまで何度も大きな問題を解決してきた勇者たちにとっては、
いくつかの作業項目にすぎないのだ。



直線上に配置